この症状について
変形性足関節症では、足関節の軟骨がすり減り、関節の適合性が悪くなり関節が不安定な状態にあります。そのために関節に痛みを生じています。歩行時に痛みを生じることで、日常動作が大きく制限されます。
変形性足関節症
この疾患の原因と状態の説明
変形性足関節症では、足関節の軟骨がすり減り、関節の適合性が悪くなり関節が不安定な状態にあります。そのため関節に痛みを生じる状態です。荷重や歩行時に痛みを生じることで、日常動作が大きく制限されます。
軟骨は一度すり減ってしまうと再生しないため、それ以上変性が進ませないために早期の対処が必須です。
この病気の原因として、体質や育ってきた環境や足関節の外傷歴など様々な要因が重なって発症します。
足関節が不安定な人(しょっちゅう捻挫を繰り返す人)に多く見られます。捻挫をしやすい人は将来、変形性足関節症にならないために早期の治療をお勧めします。
この疾患の症状と診断
歩き始めや長距離の歩行で足関節が痛くなることが最初の症状です。その後、徐々に関節が腫れるようになり、足関節の動きの制限が出てくるようになります。痛みは徐々に強くなってきます。
足関節の腫れによる変形を認めます。
足関節の内側や前方・外側に圧痛を認めます。
片方が正常の場合、足関節の動く範囲に左右差がみられます。
診断は臨床症状とレントゲンで行われます。病期分類の為に、レントゲンは、立位で撮影します。病期により治療法の選択が変わってきます。
この疾患の治療方法
程度が軽い場合には、手術以外の治療も効果が高いことが多いです。まずは靴の見直しを行い、必要に応じて関節内に注射、手術をおこなうこともあります。
-保存的治療法-
・インソールと靴
靴の中敷きを個人にあった状態に調整します。また、靴も調整することで足にかかる荷重を調整します。
・外用剤・内服薬
身状態と痛みの程度を見ながら量を調整します。長期の服用は定期的採血を行い全身状態のチェックを行います。
・局所注射
足関節内に直接痛み止めや炎症止めのを注入し、痛みをコントロールします。
-手術治療-
上記の方法で痛みのコントロールが困難な場合は手術が適応になります。手術方法は、年齢・活動性などにより、患者様と相談し決めます。
・足関節外側靭帯再建術
関節裂隙の狭小化がほとんどなく、関節の不安定性が認められる場合に適応となります。
・骨切り術による関節形成術
脛骨の遠位で骨切りを行い、関節の傾きを矯正し関節の安定性を獲得する手術方法です。活動性が高く、変形が軽度~中等度までの場合に行われます。
・関節固定術
変形が高度の場合に行います。関節を固定する手術ですが、固定した場合でも次第に主変の関節が動くようになり、日常生活で困ることはあまりありません。
手術は原則低侵襲な内視鏡下関節固定術を行っています。この方法では術後の痛みも軽度で手術創もわずかです。
関節面の欠損が大きい症例にはプレートを使用した固定術が安定した術後成績を
活動性が高い症例にも対応可能です。
・人工足関節置換術
変形が高度の場合に行います。当クリニックではこの手術を行っていないため、希望される方は紹介させていただきます。