リウマチ足(りうまちあし)

この症状について

関節リウマチでは、手指の罹患・変形がよく知られていますが、足の罹患・変形もよく起こります。しつこい足の腫れや痛みがある場合は、関節リウマチの可能性があります。

この疾患の原因と状態の説明

関節リウマチでは、手指の罹患・変形がよく知られていますが、足の罹患・変形もよく起こります。しつこい足の腫れや痛みがある場合は、関節リウマチの可能性があります。

関節リウマチと診断されていなくても、しつこい足の腫れや痛みがある場合は、関節リウマチの可能性があります。関節リウマチとすでに診断されている方で、足の変形や症状がある方は、早めに主治医の先生にお話をして、足の専門医へ紹介していただき、治療を開始するように心がけましょう。「これくらい」と思わずに、早めに簡単な治療から開始することが、後に重度の変形へと悪化することを防ぐ重要なポイントです。

この疾患の症状と診断

リウマチ足では、足のあらゆる関節に変形、症状がおこる可能性がありますが、主に、足ゆびの前足部と、足首の後足部の変形に分けられます。

前足部では外反母趾や屈趾変形やたこができて、痛みや歩行障害を起こします(図1)。

後足部は外反扁平足がよくおこり、足首が腫れ、痛みや関節が動く範囲が制限されて歩行障害がおこります(図2)。靴が片減りしたり、つま先の部分が出っ張ったり盛り上がったりすることもよくあります。

この疾患の治療方法

-保存的治療法-

①まだ変形が進んでいない場合は、薬の治療が重要です。特に他の関節も腫れている場合には、薬の量を増やしたり変えたりする必要があります。

②足だけに痛みや変形が残っている場合や、まだ変形の程度が軽い場合には、保存的治療法(手術を しない治療法)を行います。足底挿板(靴の中敷き)やサポーター、靴型装具を用いて痛いところやたこができているところの負荷を減らします。足ゆび、足首のリハビリも重要です。

③痛いところ、腫れているところに痛み止めや炎症止めの注射を打つことで、痛みや腫れがしばらくよくなることもあります。

-手術療法-

比較的進んだ変形の場合、その程度や年齢、活動性などにより種々の手術療法が用いられます。ただし、術式によっては専門の医療機関の受診が必要です。

①前足部に対する手術治療
主に、切除関節形成術、関節固定術、人工関節置換術、関節形成術が用いられます。年齢や活動性、変形の程度に応じて、使い分けられます。どの手術法にも長所と短所があり、主治医の先生とよく相談しましょう。

②後足部に対する手術治療
まだ関節破壊が進んでいない場合は滑膜切除術が、進んでいる場合は関節固定術や人工足関節置換術が行われます。
関節固定術は、特に痛みの原因となっている関節を選んで固定を行います。関節を固定しますが、術後の歩行にはさほど不自由はなく、また変形が治りますので見た目もよくなります。
人工足関節置換術は、足首の関節(距腿関節)に限って行われます。関節がうごく範囲が保たれるため、術後の動きがスムースです。

③どのような手術を行うにしても、関節リウマチの活動性が充分抑えられていることが重要です。お薬の治療もしっかり行うように主治医の先生とよく相談しましょう。