この症状について
変形性膝関節症の患者さんは、健常なひとと比べて、介護が必要となる可能性が高くなると考えられています。したがって、変形性膝関節症を初期の段階から治療を開始して、その進行を抑えることが効果的と考えられています。
この疾患の原因と状態の説明
変形性膝関節症は膝関節の軟骨がすり減り、痛みと変形で日常生活に支障をきたすようになる中高年に多い疾患です。
わが国の患者数は、症状がある人が約800万人、レントゲンで変化のある人は2,500万人に達すると推計されています。
変形性膝関節症の進行を抑制するには早期に発見し、治療を開始することが重要です。
この疾患の症状と診断
変形性膝関節症の患者さんは、健常なひとと比べて、介護が必要となる可能性が高くなると考えられています。したがって、変形性膝関節症を初期の段階から治療を開始して、その進行を抑えることが効果的と考えられています。
世界保健機構（WHO）の報告では、日常生活に障害をもたらす主な疾患のひとつに，変形性膝関節症があげられています。
この疾患の治療方法
グレード１～２からの積極的な治療介入が効果的な進行抑制に結びつくと考えられています。
治療の中心はヒアルロン酸の関節内投与です。
サプリメントとして飲むヒアルロン酸も販売されていますが、飲むヒアルロン酸が医学的に効果があるとは実証されていません。
膝関節内に直接ヒアルロン酸を入れる（注射する）ことは医学的に実証された効果的方法です。これをビスコサプリメンテーションといいます。
関節内に直接注射されたヒアルロン酸は、
① 軟骨細胞に直接作用して軟骨変性を抑制する
② 滑膜細胞に作用して炎症を抑えて痛みを軽減する
③ 高分子のヒアルロン酸の産成を促進し，関節液の粘弾性を高める
といわれており、これにより痛みを軽減し日常の活動性を向上させることができます。
ヒアルロン酸関節内注射をベースに、
① 運動療法（リハビリ）による筋力アップ
② できるだけ少量の薬物療法（NSAIDs，弱オピオイドなど）
③ 日常生活指導
④ どうしても痛みがコントロールできないときは手術治療
など各種治療方法を組み合わせて、治療を行っていきます。
